【書評】『自分とか、ないから。教養としての東洋哲学』しんめいP|「本当の自分」を探すのをやめたら、楽になった話
「自分らしく生きろ」って、よく言われっけどよ。 「本当の自分を見つけろ」「強みを活かせ」「やりたいことをしろ」って。
でもな、そう言われれば言われるほど、なんか苦しくなってかねぇか?
「本当の自分」を探しまわって、見つからなくて、焦って、また探して。 その繰り返しで、気づいたらヘトヘトになっちまってる。
おらはな、そういう「自分探し」に疲れちまった人たちに、ぜひ読んでほしい本に出会ったんだ。
しんめいP氏の『自分とか、ないから。教養としての東洋哲学』。
「本当の自分」なんて、どこにもねぇんだよ──東洋の賢人たちが2000年かけて出した、その答えを、笑えて、ゆるくて、でもちゃんと深ぇ文章で教えてくれる、不思議な一冊なんだ。
今日はな、この本のことを話してみてぇと思う。
📖 本の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書名 | 自分とか、ないから。教養としての東洋哲学 |
| 著者 | しんめいP |
| 出版社 | サンクチュアリ出版 |
| 発売日 | 2024年4月23日 |
| ページ数 | 240ページ |
| 価格 | 1,650円(税込) |
| ISBN | 978-4-8014-0127-3 |
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著者・しんめいPについて
著者のしんめいPさんはな、1988年大阪生まれ。東京大学法学部を卒業したんだ。
「東大卒なら、さぞかすごい経歴が…」って思うだろな。
ところがどっこい。大手IT企業に入社して世界中を飛びまわるも、「仕事ができないことがバレて」こっそり退職。鹿児島の島に移住して教育事業を始めるも、またもや「仕事ができないことがバレて」なめらかに退職。一発逆転を狙って芸人に転向してR-1グランプリを目指すも、1回戦で敗退して引退。ついには無職に。
東大卒のこじらせニートって、なかなかのプロフィールだんべ。
実家に引きこもって布団の中にいたとき、東洋哲学に出会ったんだそうだ。そのときの心情を書いたnoteの記事「東洋哲学本50冊よんだら『本当の自分』とかどうでもよくなった話」が話題になって、なぜか出版できることになった──というのが、この本の生まれたいきさつなんだな。
発売後は同ジャンルでは異例の26万部超のヒット作になったんだそうだ。 「なんとなく生きにくい」って感じてる人が、それだけ多かったってことなんじゃねぇかな。
「本当の自分」を探すのが、苦しさの原因だった
この本のいちばんの衝撃はな、「本当の自分なんて、どこにもいねぇんだ」って話から始まるところだ。
自己啓発本を読むたびに「本当の自分を見つけよう」「強みを活かそう」「やりたいことをしよう」って言われてきた。 それを真に受けて、「自分らしさ」を必死に探してきた人が、どれだけ多いことか。
ブッダが2500年前に言ったのはな、そういう「変わらない自分」なんてものは幻想だっていうことなんだそうだ。 体は食ったものでできてるし、感情も状況も、何もかも常に変わり続けてる。 「変わらない本当の自分」という石の堤防を作って、変化する川を止めようとするから苦しくなっちまうんだ、と。
そう聞いてな、なんか力が抜けてきたんだよ。 「本当の自分を見つけなきゃ」って焦る必要、なかったんだな、ってな。
7人の哲学者が教えてくれること
この本ではな、インド・中国・日本から7人の哲学者の教えが紹介されてる。
ブッダ──「無我」自分なんてない
さっきも話したけどな、ブッダの「無我」って考え方の核心は「自分探しをやめること」なんだそうだ。 自分という固定したものがないと気づくと、変化することへの恐れも薄れてくるんだと。
龍樹──「空」この世はフィクション
インドの論破王とも呼ばれる龍樹(りゅうじゅ)はな、「この世の全部は言葉が作り出したフィクションだ」って教えたんだそうだ。 「会社」も「家族」も「自分はダメな人間だ」っていう思い込みも、言葉が作り出した幻に過ぎねぇ、と。 この見方を持てると、「才能がないからダメだ」みてぇな悩み自体が成り立たなくなってくるんだな。
老子と荘子──「道」ありのままが最強
中国の老荘思想ってやつだな。「道(タオ)」っていうのは、自然の流れのようなもんで、それに逆らわず、ありのままでいることが最強だっていう教えなんだそうだ。 「婚活術」や「転職術」にも応用できるって書いてあって、かなり面白ぇんだ。
達磨大師──「禅」言葉はいらねぇ
「ことばを超えたところで理解するんだ」っていうのが禅の核心らしくてな。 なんかピンチなとき、言葉でぐるぐる考え続けても苦しくなるだけってことが、よくわかるんだな。
親鸞──「他力」ダメなやつほど救われる
エリート僧侶だった親鸞がな、厳しい修行をしても悟れなかった経験から、「自分の力でなんとかしようとする執着を捨てる(他力)」ことの大切さに気づいたんだそうだ。 「諦める」っていうのは投げ出すことじゃなくて、「自分」というフィクションへの執着を手放すことなんだと。 「ダメな人間ほど救われる道がある」っていう逆転の発想は、なんか救われる気がするんだな。
空海──「密教」欲があってもよし
「欲を捨てろ」とか「無欲になれ」って言われることが多い中でな、空海の密教は「欲があっていい」「この世の全部が仏の表れだ」っていう、超ポジティブな考え方なんだそうだ。 生命を丸ごと肯定してくれる感じが、読んでてなんとも気持ちいいんだな。
今日からできる、哲学の使い方
面白ぇのはな、この本が「知識として東洋哲学を学ぶ」ことより、「使って楽になる」ことを目的にしてるところだ。
① 「本当の自分」探しをやめてみる
「やりたいこと」や「強み」に縛られるのをやめて、「自分は変わり続けるもんだ」って受け入れてみる。 それだけで、けっこう楽になるんだそうだ。
② 言葉のレッテルに気づく
「コミュ障」「仕事ができない」みてぇな自己評価は、単なる「言葉」が作り出した概念なんだな、って気づく。 そのレッテルは実体じゃねぇ、フィクションなんだと自分に言い聞かせてみる。
③ 行き詰まったら「手放す」
無理して頑張ろうとするんじゃなくて、「自分にはどうにもなんねぇ」って執着を手放してみる。 これが親鸞の「他力」の考え方に通じるんだな。
④ 悩む時間を決めておく
1日30分、「悩む時間」を決めておいて、それ以外では悩まない──そういうやり方もあるんだそうだ。 「悩みに使う脳のリソース」を意識的に管理するってことなんだな。
読んでみて、おらが思ったこと
この本でな、いちばん笑ったのは著者プロフィールの「仕事ができないことがバレてひそやかに退職」「なめらかに退職」ってくだりだった。 東大卒で、こんなにもコケまくった人が書く哲学書って、なんか妙に信頼できっぺよ。
そんでな、読み終わって思ったのはこうだ。
自己啓発本って、なんだかんだで「もっと頑張れ」「もっと成長しろ」「本当の自分を磨け」って方向へ引っ張るものが多いんだな。 それはそれで大事なんだけど、ずっとそっちへ引っ張られ続けると、疲れちまう。
この本は逆なんだ。 「頑張らなくていい」じゃなくてな、「そもそも頑張る『自分』なんてどこにもいねぇんだ」っていう、もっと根っこのところで力を抜かせてくれる。
「本当の自分を見つけなきゃ」って焦ってる人に、「探しても見つからなくて当然だぞ、そんなもんはじめからねぇんだから」と言ってくれる感じ、とでも言おうかな。
じわじわ効いてくる本なんだな、これが。
この本を買うなら
あわせて読みたい関連本
『自分とか、ないから。』を読んで興味を持った人に、おらがおすすめしたい本も並べておく。
🔹 「半うつ」になる前に気づいてほしい人へ
『半うつ 憂鬱以上、うつ未満』平光源(サンマーク出版)
「自分らしく生きようとして、頑張りすぎて、心が半分折れちまった」──そういう状態のことを「半うつ」と呼ぶんだそうだ。 精神科医として25年、延べ20万人を診てきた平先生が、うつ病の手前のグレーゾーンを丁寧に解説してくれてる一冊だ。 「自分とか、ないから。」で心が軽くなってきたら、こっちで体のメンテナンスも一緒に考えてみんちぇ。
🔹 「他人の目」から自由になりてぇ人へ
『嫌われる勇気』岸見一郎・古賀史健(ダイヤモンド社)
アドラー心理学をベースにした、日本でも大ベストセラーになった一冊だな。 「他人の課題を引き受けるな」「承認欲求を捨てろ」──「自分とか、ないから。」の東洋哲学と向いてる方向は違うようで、「執着を手放す」という点でつながってくるんだな。
🔹 「やりたいことがわかんねぇ」に悩む人へ
『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』八木仁平(KADOKAWA)
「やりたいことなんてない」って悩む人は多いんだ。 しんめいPさんは「やりたいこと探し自体が苦しみの原因」と言うが、それでも「じゃあ何をすりゃいいんだ」ってなる人もいっぺ。 そういう人には、具体的なワークで「やりたいこと」を言語化していくこの本が助けになってくれるはずだ。 「自分とか、ないから。」と読み比べると、なかなか面白ぇ視点が生まれるんだな。
🔹 「なんかモノが多くて疲れる」人へ
『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』佐々木典士(ちくま文庫)
ミニマリストの代表格・佐々木氏の名著だな。 「モノ」だけじゃなく、「執着」を手放していく考え方が、東洋哲学の「空」や「他力」の感覚と妙に重なってくるんだよ。 「自分とか、ないから。」の後にこれを読むと、物理的にも心理的にも身軽になっていく感じがするはずだ。
まとめ
『自分とか、ないから。教養としての東洋哲学』はな、こんな人に読んでほしい一冊だ。
- 「本当の自分」を探し続けて疲れちまった人
- 自己啓発本を読むたびに、逆に苦しくなる人
- 「やりたいことがわかんねぇ」って悩んでる人
- なんか漠然と「生きにくい」と感じてる人
- 東洋哲学に興味はあるけど、難しそうで敬遠してた人
東洋の賢人たちが2000年かけて出した答えをな、ニートの布団の中から拾い上げてきた人が、笑えるように書いてくれてる。 それだけでも、なかなか奇跡的な一冊じゃねぇかな。
「自分を探すのをやめたら、なんか楽になった」──そんな体験を、この本はさせてくれるんだな。
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